
飲食店を開業するにあたり、内装にお金をかけたくない、もしくはかけられないという方もいらっしゃるでしょう。昨今の飲食業界の厳しい現状を考えると、内装などにお金をかけず、低リスクで開業することはどうしても必要になってきます。この記事では、内装などにお金をかけずにできる飲食店の開業方法をご紹介します。
目次:
1.飲食業界の現状
2.飲食店の内装にお金はどれくらいかかるのか
3.内装にこだわらない開業方法
4.クラウドキッチンを使ってみよう
1.飲食業界の現状
2020年、2021年は飲食店業界にとって非常に厳しい状況となっています。
原因はやはり新型コロナウイルスの感染拡大でしょう。
閉店になった飲食店が以前と比べて多くなった印象を持つ方もいるかもしれません。
実際に帝国データバンクの調査によると、2020年の飲食店の倒産は最高クラスの水準でした。ただし、最高クラスの水準とはいえ、緊急事態宣言の協力金の影響である程度倒産は抑えられたと言われています。
つまり、補助金で倒産を抑えたとしても、過去最高クラスの倒産があったということです。
このように飲食店の現状として、新型コロナウィルスという外的要因の影響をかなり受けていることがわかります。
飲食店は初期費用が数千万円かかることも珍しくなく、さらに運転資金も必要なため、経営の難易度は高いと言われています。そのうえ、新型コロナウィルス感染拡大の影響を最も受けている業界の一つです。
そのため、飲食店を開業したり、今ある飲食店を拡大するにあたっては、リスクがあることは頭に入れておく必要があります。
一方、もちろんコロナ禍でも売り上げを伸ばしている飲食店もあります。
つまり、コロナ禍の状況にあった飲食店を開業すれば、可能性はあるということです。
2.飲食店の内装にお金はどれくらいかかるのか
コロナ禍で苦しい飲食業界ですが、もし開業するとなった場合、内装の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
目安として言われているのは、「開業にかかる総費用の1/2」です。
一般的には開業の総費用は数百〜数千万円と言われていますから、内装費用に関しては、数百万円程度かかると考えておいたほうがよいということになります。
もちろん、飲食店の広さや内装のデザインなどにより、かなりばらつきがあるでしょう。
いずれにしても開業の1/2かかることや、額として数百万かかることからもわかるように、内装は飲食店開業にとってかなりのウェートを占めることがわかります。
コロナ禍で、飲食店を開業する場合はどうしてもリスクがありますから、開業の費用をいかに抑えるのかということが重要になってきます。
その前提では、内装に妥協し、お客さんの満足度が大きく下がることはあってはなりませんが、内装費をできるだけ抑えることについて検討することは避けて通れないと言えるのではないでしょうか。
3.内装にこだわらない開業方法
飲食店開業の際、内装をできるだけ抑えることも検討するべきだとお伝えしました。もちろん、そもそも内装にこだわらなくてもいいような飲食店の形を模索するもの選択肢の一つです。
この記事では、内装にそもそもこだわらなくてもいいような飲食店の形として「ゴーストレストラン」をご紹介します。
結論としては「ゴーストレストラン」という形での開業では、内装にかかる費用はほとんどありません。
ではゴーストレストランとはどのような飲食店なのでしょうか。
ゴーストレストランとは何かというと、客席を持たない無店舗型の飲食店のことです。客席を持たない分、デリバリーやテイクアウトで料理を提供します。
最近ではオンラインのデリバリープラットフォームが急速に広まっていますから、皆さんの中にもデリバリーで様々な料理を注文できることをご存じの方も多いでしょう。
実際にUber Eatsや出前館などを定期的に利用している方もいらっしゃるでしょう。このデリバリーに特化した飲食店がゴーストレストランです。
ゴーストレストランは前述の通り客席を持ちません。飲食店はキッチンだけを使うことになるので、内装費がほとんどかからないのです。
さらに、最近ではゴーストレストランの運営をサポートするために、「クラウドキッチン」という形でキッチンのみを貸し出すサービスも多くあります。
クラウドキッチンではすでにキッチンが整備されていますから、もちろんキッチンの利用料は月単位などでかかってきますが「内装費」という点ではほとんどかからないのです。
もちろん、キッチンを利用する場合、自分のやっている飲食店で特殊な料理を提供する場合、その料理を作るためにキッチンで設備や器具が必要になるかもしれません。その場合は、キッチンに関する内装費用が上乗せされることになるでしょう。
しかし、追加でキッチンをカスタマイズする場合は珍しいです。また仮にキッチンをカスタマイズするにしても、通常の飲食店の内装に比べるとはるかに費用が抑えることができます。
4.クラウドキッチンを使ってみよう
クラウドキッチンは先程紹介したとおり、ゴーストレストラン向けにキッチンを貸し出すサービスのことです。
この記事でクラウドキッチンを利用して飲食店を運営するメリットをおわかりいただけたでしょうか。
やはり一番のメリットは初期費用や固定費を抑えられることです。
そもそも飲食店は開業費用が高く、その後の売上げで費用を回収することが難しいです。そのため、開業できたとしても失敗する可能性も無視できません。また昨今では新型コロナウィルスの感染拡大が問題となっています。
今後、収束する可能性もありますが、やはり飲食店の経営はリスクが大きい状況となっています。
このような飲食店の厳しい状況に対し、飲食店経営の強力な味方になるのがゴーストレストランなのです。
もちろん、メリットは内装費がほとんどかからないだけにとどまりません。
最近は自宅で飲食店の料理を楽しみたいという需要が高まっています。みなさんお分かりの通り、新型コロナウィルス感染拡大の影響からです。
デリバリーやテイクアウト主体のゴーストレストランは、「おうち時間」の需要に応える飲食店の形なのです。
実際に、コロナ禍でも売上げを伸ばしているゴーストレストランは日本のみならず、海外でも多くあります。
飲食店開業のためにまずは、クラウドキッチンについて調べ、利用を検討してみてはいかがでしょうか。